認知症で施設入所を嫌がるときの対応の仕方
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認知症で施設入所を嫌がるときの対応の仕方

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

認知症で施設入所を拒否する

「母をどうやって説得してここ(施設)に連れてきたらいい?」
「絶対イヤって言ってるんだけど…どうしよう…」
「ショートステイでも暴れて大変なんです…」

新しく入所する予定の利用者さん家族からこのような相談をされことはありませんか?

正直、嫌がる本人を連れてきたあとの大変さを知っているだけに
う…入所することになったのか…と思っちゃいますよね(汗)

でも、どんなに嫌がっても入所するのであれば連れてきてもらうしかありませんし、
わたしたちはお仕事ですし、お客様にそんな顔みせられません。

利用者さんにとっても、家族さんにとっても
わたしたちにとってもいい方向性でスムーズに入所してもらいたいですよね。

ここでは、入所を嫌がる利用者さんに困っている家族さんに相談されたとき
どのようにアドバイスをして入所してもらったらいいかをまとめています。

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入所前に家族さんにお願いすること

まず入所前に大切なのは、家族さんの気持ちを固めることです。

自分の親を施設に預けるという決断は
家族さんにとっても迷いや不安があると思います。

まだ自宅で介護ができるんじゃないか…
見捨ててるみたいになっちゃう…
親戚に反対されてる…
世間体が…

こんな不安を家族さんが迷っていると、
認知症の本人さんも家族の気持ちを敏感に感じ取ってしまいます。

家族が迷っている状態で本人に施設入所をすすめても
本人が納得する可能性は低くなりますよね。

本人が何と言おうと施設に入所してもらうという強い想いを家族さんが持っているか、
家族さん自身がきちんと決断することができているかを確認しておきましょう。

本人は説明しても覚えていないことが多い

これから介護施設で暮らすことになることを
本人さんが納得した状態で入所できることがベストではありますが
認知症の方は何度説明しても、その事実を覚えていないことが多いです。

実際に入所のときに「よろしくお願いします」と笑顔を振りまいていた利用者さんも
数時間たつと、「何も聞いていない」「無理やり連れてこられた」「すぐに帰ります」
と訴えてくる方も少なくありません。

なので家族さんから本人さんに入所することを説明して
翌日にはすっかり忘れてしまうようであれば、
無理に説明して納得させる必要はないってことを伝えてあげましょう。

何度説明してもわかってくれなくて
話が一向にすすまない状況に家族さんが疲弊してしまいます。

100回説明しても本人が忘れてしまったら
「知らない」「聞いてない」のと一緒ですからね。

逆に家族さんに負の感情が残るだけになってしまいます。

なので本人が納得しない場合や一度納得しても忘れてしまう場合は、
入所後の生活に悪影響があるのは覚悟したうえで迎え入れましょう。

家族さんに申し訳なさや不安を感じさせてはダメ

わたし達は介護の専門家です。

入居を拒んでいる方や、納得せずに入居してくる方、
帰宅願望のある方などの対応をたくさん経験しています。

どんな利用者さんであっても、
おうちから施設に引っ越しをすることで環境が変わるので
戸惑いますし、疲れますし、ストレスはかかります。

わたしたちだって引っ越しをしたら
環境になれるまでにある程度時間がかかりますよね? それと一緒です。

認知症の場合は適応するのに少し時間は かかるかもしれませんが
できる限りの対応をして、施設になじんでもらえるように全力を尽くすことを
家族さんに伝えて、家族さんの不安を取り除いてあげましょう。

家族さんにリスクを説明し協力をあおぐ

施設入所に納得せずに入所することで
その後の生活に影響を及ぼすことがあることを家族さんに話しておきましょう。

ふつうに引っ越しをするだけでも
これまで暮らしてきた環境と違うため混乱しやすくなりますが

認知症であることにプラスして
入所に納得していない状態での引っ越しとなると
今後に影響するリスクは高くなります。

たとえば、施設入所に対する不満や怒りから
介護に抵抗して暴力や暴言をふるったり、強い帰宅願望が現れたり。

中には、他の利用者さんとトラブルを起こしたりする場合もあります。

また、入所前はそこまで進んでいなかった認知症の症状が
新しい生活になじむことができず急激に進行してしまうこともあります。

もちろん積極的にコミュニケーションをとり、
環境を整えていろんな工夫をしてケアにあたるわけですが
その過程でご家族さんの協力をお願いしるかもしれない旨も話しておきます。

施設に入れたらあとは施設任せにするのではなく
一緒に本人を支えていきましょう!というスタンスですね。

たとえば、面会に来てもらったり
ドライブやランチに出かけたり、おうちに帰れる機会を設けてもらったり。

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安心させる嘘でとりあえず施設へ

入所を納得されていない場合、
本人さんに「今日から施設だよ」「これから施設に行くよ」というと
嫌がって連れてこられない場合があります。

なので前もって話をしたときに
納得されなかったり、すぐに忘れてしまった場合には
本人にうそをついておうちを出るのはありだと思います。

家族さんには「買い物に行こう」「散歩に行こう」
「ドライブに行こう」「病院の日だよ」などといった声かけを提案してみましょう。

認知症の人は物事は忘れてもイヤだった感情は覚えているため
無理やり連れてくると、入所をきっかけに家族関係が悪くなってしまうかもしれません。

わたしたちも、あばれて嫌がってる状態で引きずって施設に連れてこられるよりも
穏やかな状態でバトンタッチしてもらったほうが対応がスムーズにできます。

施設に到着すればあとは私たち介護職員の腕のみせどころですよね(笑)
「少しお茶していきましょう」「休んでってくださいませ」と。

もちろん、うまくいくときもあれば上手くいかないこともあります。
手が付けられなくなって暴言を吐いたりペッ!とつばを吐かれることもあります。

でも少しずつ環境になれていく中で落ち着きを取り戻していきます。

まとめ

家族さんに入所の仕方を相談されたら
とりあえず上手に施設まで連れてきてもらうようにお願いします。

何度説明しても忘れてしまったり、納得しない場合は
無理強いするのではなく、だましだましでも構わないので施設までお連れしてもらいましょう。

その連れてきたときの声かけの内容や状況を
スタッフに伝えてもらって、その後はわたしたちにお任せくださいっと
まずは家族さんを安心させてあげましょう。

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