認知症の中核症状とは?周辺症状BPSDと何が違うの?
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認知症の中核症状とは?周辺症状BPSDと何が違うの?

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

認知症の症状には様々あることはご存じかと思います。
大きく分けると「中核症状」と「周辺症状」の2つの種類に分けられますが、どちらがどのような症状で、何がどう違うのかわからなくなっていませんか?

ここでは、認知症の中核症状や周辺症状の特徴や違いをお話ししています。

 

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認知症の症状には中核症状と周辺症状がある

認知症は、脳の障害で脳の細胞が担っていた役割ができなくなる症状です。脳の病的な変化などで脳細胞が壊れてしまうことで起こります。

このような脳細胞が壊れてしまうことで機能を失い現われる症状を「中核症状」といいます。

もうひとつ認知症の症状として有名な「周辺症状」というのは、中核症状が現れることで二次的に表れてくる症状を「周辺症状」といったり「行動・心理症状」といいます。

 

中核症状は認知症に必ず現れる症状

認知症の中核症状は認知症なると必ず現れる症状になります。もちろん、人によって症状の現れ方や症状の進み方には差がありますが認知症であればだれにでも現れる症状になります。

また、中核症状に関しては進行を遅らせることはできても完全に止めることはできないといわれています。

 

中核症状はなぜみんなに現れるの?

認知症の中核症状は、脳の神経細胞が失われることによってもともと脳が担っていた役割ができなくなることで現れる症状です。

たとえば、今日食べたものを覚える「記憶する」という役割があった脳細胞が失われてしまった場合、記憶障害が現れます。

目の前にある食べ物が何か「認識する」役割の脳細胞が失われた場合には見当識障害が現れます。

認知症は脳の細胞が少しずつ失われていくため、このように記憶障害や見当識障害、理解・判断力の障害、実行機能障害、失語・失認・失行などと認知症の進行が進むに従い誰にでも現われるのです。

 

中核症状ってどんな症状のことをいうの?

脳の細胞が失われることで現れる中核症状にはさまざまなものがあります。

・記憶障害

脳の海馬という記憶をつかさどる部分が失われてしまうことで起こる障害です。
もの忘れや、さっきの出来事が思い出せない、人の名前や物の名前が思い出せないなどといった症状になります。

特徴として、昔の記憶は覚えているけど直近の記憶が失われやすかったり、体験の一部分だけでなく丸ごと忘れてしまうということがあります。例えば、何を食べたかを忘れるだけでなく食事をしたことそのものを覚えられないなどですね。

 

見当識障害

見当識障害は、いつ・どこでというような時間や場所などを理解する力が低下することをいいます。
今の季節が何なのか、今日は何月何日なのか、今は何時なのか、朝なのか夜なのかもわからなくなってしまいます。
自宅にいるのに自宅がわからなくなったり、今どこにいるのかわからなくなったりと場所についての認識力も失われてしまいます。

 

実行機能障害

計画を立てて計画をこなしてく能力が低下することを実行機能障害といいます。
一度に多くのことをこなすことが苦手になり、料理の手順がわからなくなったり電化製品の使い方がわからなくなっていきます。
夕食の献立を考えて、食材を選び、足りないものを買いに行くという手順が難しくなります。
また、進行が進むと単純な作業の実行も難しくなり洋服の着方がわからなくなり前後・上下さかさまに着てしまうことも。

 

理解・判断力の障害

理解したり判断したりする力が低下するのが理解・判断力の障害です。
ひとつひとつ理解するのに時間がかかり、一度に多くのことを言われると理解が難しくなる症状です。
ここ最近認知症の人の自動車事故が増えていますが、これも理解・判断力の低下が影響しているといえます。
「信号が赤だから止まる」「人が見えるから止まる」という理解・判断・行動が瞬時にできなくなるため注意が必要になります。

 

失行、失認、失語など

道具の使い方がわからなくなる失行、見たものが何か認識できなくなる失認、言葉の理解や表現が難しくなる失語も中核症状の一種になります。

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中核症状と周辺症状は何が違うの?

中核症状は認知症になったら誰にでも現れる症状ですが、周辺症状は現れる人と現れない人がいます。

周辺症状は、別名で行動・心理症状(BPSD)とも呼ばれる症状で、環境や性格、精神的な不安、体調などの様々な要因によって現れる、行動障害や精神症状のことです。

認知症になり中核症状が現れると、少しずつできないことが増えて、わからないことが増えてきます。
認知症だからといってすべてが分からなくなっているわけではないため、もちろん認知症になったご本人自身が落ち込んだり不安になったり焦りを感じますよね。このような精神状態のときの周りの環境や、周りの人の対応、もともとの本人の性格などが絡み合って行動・心理症状があらわれてくるのです。

認知症の人を介護する上で多くの人が「大変だ」と感じるのは周辺症状によるものが多く、実はこれらの症状は環境を整えてあげるだけで軽減してあげることができるのです。

周囲の人たちが認知症を理解し適切にケアを行えば周辺症状は現れます。
ケアのあり方を変えれば症状が軽減したりなくなったりすることもあるのです。

 

周辺症状(BPSD)にはどんな症状があるの?

暴力・暴言、介護拒否

認知症になると感情の抑制が難しくなります。
本人にとって理解が難しい状況にあったり、バカにされるようなことがあると症状が強くでます。
思っている事を表現することが難しくなったり、脳の機能が低下して感情を抑えられなくなってしまいます。

徘徊

見当識障害が進むと今自分がいる場所がどこなのか分からなくなって不安を感じて「ここがどこか確かめたい」「家に帰らなければ」と外出を望みます。見当識障害が進んでいるため道に迷いますし本来は知ってる場所も認知症になった本人にとっては知らない場所です。また、本人には目的があるため無理に引き留めたり説得しても効果はな、逆に症状が悪化する可能性が高いです。

妄想

実際に起こってないことを起こったこととして確信してしまいます。私たちからすると妄想ですが本人は大真面目。
「財布を取られた」などのもの取られ妄想が代表的な症状です。

幻覚

小さな子供や小動物が見えたり、私たちには見えない何かを会話をしたりする症状です。

抑うつ、不安、無気力

できないことが増えてしまうことでやる気をなくしてしまう症状です。
今まで好きだった事を急にやらなくなったり元気がなくなってきたと感じたら注意が必要です。

不潔行動

汚いものを汚いものだと認識ができないので、排せつ物に触れたり、触れた手をそのままにしたりします。
また、食べ物であると認識してしまい口に入れてしまうこともあります。

認知症の中核症状と周辺症状のまとめ

認知症にはこのように必ず現れる中核症状と現われる人と現れない人がいる周辺症状の2種類の症状があります。
中には初めて見るとびっくりするような症状もあったかもしれませんね。
認知症になったから仕方ない…とすべての症状に対して諦めてしまい苦しい介護を行うのではなく、私たち介護する側の人間が認知症を理解し症状のあるがままを受け止めて適切なケアを行うことで周辺症状の出現を抑えお互いが気持ちよく暮らしていけるはずです。

 

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