認知症の進行の仕方と経過|最終的にどうなっていくの?
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認知症の進行の仕方と経過|最終的にどうなっていくの?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

認知症の進行と経過

親が認知症の診断をされて「この先、一体どうなっていくの?」なんて不安に思っていませんか?

最初は「物忘れが始まったな…」程度に思っていたのに
いつのまにか今まで当たり前にできていたことができなくなって何度も同じことを言うようになってきた…

毎日毎日、同じことを何回も伝えるのに段々腹が立ってきた…
この先一体、うちの親はどうなっちゃうの…???っと心配になってしまいますよね。

ここでは、認知症になってしまったら
この先どんな感じで認知症の症状が進んでいって、将来的にどうなるのかをまとめています。

もちろん認知症の症状や進行のスピードには個人差がありますが、
この先どういう経過を辿っていくのか、だいたいの目安を知っておくだけで
今後、慌てることなく冷静に対応することができますよ。

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アルツハイマー型認知症の経過

認知症には様々な種類があり、同じ認知症の中でも最も多くの人が「アルツハイマー型認知症」と診断されています。

アルツハイマー型認知症は、症状が少しずつ進んでいくのが特徴の認知症です。
「あれ…?なんか変だな…」から始まって、徐々に徐々に「ん?絶対おかしい…」というように
初期の症状では認知症であるとすぐに気づけないケースが多くあります。

時間をかけて、記憶力や理解力、判断力が低下して今までの生活をこれまで通り行うことが困難になってきます。

年単位でゆるやかに進行するため、病院を受診して認知症と診断される数年前から発症していることが多く認知症の診断がついた頃には進行が進んでしまっている事が多いのが特徴です。

今日明日でいきなり明らかな認知症の症状が出るのではなく、発症すると緩やかなカーブを描くように進行が進んでいくのがアルツハイマー型認知症の進行の仕方になります。

若い世代の認知症である若年性アルツハイマーの場合は進行が比較的早いのですが高齢者の場合は、短期間で劇的に症状が進んでいくのはまれでゆっくりゆっくり症状が進んでいきます。

進行の仕方は、3つの時期に分けることができ、初期・中期・後期と症状の出方にも特徴があります。

・初期(軽度)

初期の段階では、記憶障害の症状が現れます。
同居の家族など身近な人でなければ気づきにくく少しずつ症状が進んでいきます。
日常生活に支障がない程度の症状のため、気づかれにくく独り暮らしの高齢者の場合は初期段階では発見できないことも多くあります。

①何度も同じことを言う(数分の間隔で同じ話に戻る)
数分前に話ていたことと同じ話を、再び話し始めます。 ずっと会話をしていたとしても、同じ話題をまるで初めて話したかのように話してきます。
②直前のことを忘れる
食事を食べたばかりなのに食べたことを忘れていたり、一緒に出掛けて帰ってきたらどこに行っていたか覚えていないことがあります。また、トイレに行ったことを忘れてまたトイレに行ったりという事も多くあります。
③物とられ妄想がある
自分で財布をタンスに片づけたにもかかわらず場所がわからなくなり家族などの身近な人を疑ったり、泥棒が入ったと言うようになります。
⑤趣味、日課への無関心
毎日散歩に出かけていたのに行かなくなったり、新聞を取りに行かなくなったりします。
⑥作話をする
物忘れによる失敗を取り繕うため事実と異なる話をするようになります。

 

・中期(中度)

認知症が進行してくると記憶障害の他にも、行動・心理症状が現われてきます。
「ただの物忘れでしょ」で済ませていた人も、この時期の本人の異常な行動から認知症であると認めざるを得なくなるようになってきます。

中度の認知症の時期は、認知症の介護をしていく中で1番大変な時期になります。
何の病気もしておらず、身体が健康であっても家の中や近所を昼夜問わず徘徊したり妄想、暴言、暴力などの攻撃、介護拒否などの症状が約8割の人に現われてきます。

この頃になると独り暮らしを続けるのは困難で
同居であったとしても、家族も精神的にも体力的にもキツクなってきて施設への入所を検討する時期でもあります。

①記憶障害が加速する
中期になると新しい出来事を覚えられなくなります。忘れないようにメモを書いてもメモの存在そのものを忘れてしまう感じです。
①見当識障害がある
今どこにいるのか、今がいつなのか、今日は何月何日なのかわからなくなり季節感も失われてきます。そのため、真夏にセーターを着たり季節に合った服を自分で選んで着ることができなくなります。
②徘徊・妄想が増える
目的もないのに家の中をウロウロ歩いたり、夜中に家から出ていき徘徊するなどの症状が現れます。道に迷って保護されるのもこの時期です。
③家事の手順が分からなくなる
料理の手順がわからなくなったり、簡単な計算ができなくなります。買い物に行っても支払いば難しくなり、小銭があっても常にお札で払うようになります。
④失語がある
言葉が出てこなくなったり、言葉の意味がわからなくなり意味のある言葉を話すことが難しくなります。
⑤日常生活に介助が必要となる
自分で食事をしたり入浴したり着替えたりできなくなり手助けが必要になってきます。
⑥不潔行為がある
排泄の失敗が増えます。失敗を隠そうと汚染している衣類を隠したりすることもあります。社会的に脱抑制行動がみられ、衝動や感情を抑えることが難しくなってきます。

 

・後期(高度)

認知症が後期になってきると、日常生活そのものが困難になってきて、徐々に寝たきりの状態になっていきます。

①家族の顔が分からない
見当識障害が進み、ずっと一緒にいた家族に対しても「どちらさま?」と言ったり他人と話すような口調で話したりします。完全にわからなくなるというよりも、見覚えはあるけど自分との関係か思い出せなくなります。
②表情が乏しくなる
よく笑う人だったとしても徐々表情が失われて反応が薄くなっていきます。
③会話が全くできない
会話がかみ合わなくなり、意思疎通が困難になります。
④尿、便の失禁が常態化
尿意や便意がなくなります。
⑤寝たきりになる
歩くことができなくなります。また、背もたれやひじ掛けがない椅子で座った姿勢を保つこともできなくなります。
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認知症の症状は急に現われるわけではありません。

冒頭にもお話しましたが、認知症の症状は「認知症だ!」と思ったときにはすでに進行が進んでしまっている状態になります。

特にアルツハイマー型認知症に関しては研究で、症状として認知症が現れる10~20年前から脳の変化が始まっている事がわかっています。

どこかのタイミングで物忘れの症状からはじまり、次第に生活に支障がでるようになり認知症として診断されるという流れ。

今までできていたことがある日突然できなくなるのではなく、ゆっくり進行が進んでいきます。

がんの進行は若いと早い、高齢者は遅いという話を聞いたことがありますか?認知症の進行も発症する年齢に関わっているとされていて、若い人は早く高齢になってからの発症は進行がより遅いともいわれています。

レビー小体型認知症の進行

レビー招待型認知症は、少しずつ信仰していくアルツハイマー型に認知症とは違って、調子の良いときと悪いときを繰り返しながら進行します。

記憶障害や見当識障害などアルツハイマー型認知症と同様の症状があられますが、時間帯や日によって症状の現われ方にムラがあるのが特徴です。
症状の現れ方は日々変動がありますが、一気に進行が進むのではなく徐々に低下していきます

血管性認知症の進行

脳血管性認知症は、急に発症し、階段状に進ていくのが特徴です。
脳血管性認知所になる原因である脳出血や脳梗塞が起こると、これまでなんともなかった人が急に認知症になります。
一度発症すると進行はほぼストップし、その後も脳出血や脳梗塞を起こすたびに階段のように症状が進んでいきます。

認知症の寿命

認知症になると数年から10年ほど軽かすると生活機能が低下し死に至るといわれています。認知症の余命については様々な研究がありますが、ある研究では認知症と診断されてから14年間生存した患者さんは、アルツハイマー型認知症では2.4%しかいないと発表されています。
多くの認知症患者は7~10年ほどと言われています。

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